【犬アレルギー】犬アレルギーの症状や検査方法など飼う前に知っておきたいこと


はじめに

コロナ禍以降、テレワークの普及や生活様式の変化により、ペットを家族に迎える方が急増しています。しかし、「かわいいから」「癒されたいから」という安易な動機での飼育が、十分な知識のないまま始まり、後に飼育放棄や健康トラブルに発展する事例も少なくありません。特に犬アレルギーは、家族の健康に直結する重大な問題です。

犬アレルギーの原因、症状、検査方法、対処法まで詳しく解説します。犬との幸せな暮らしの第一歩として、正しい知識をぜひ身につけてください。


Q1. 犬アレルギーの原因とは?

犬アレルギーの主な原因は、犬のフケ・唾液・尿に含まれるたんぱく質(リポカリンやアルブミン)です。その中でも、特に問題視されているのがCan f 1(リポカリン)という成分で、多くの犬アレルギー患者のアレルゲンとなっています。

一般的に「犬の毛が原因」と誤解されがちですが、毛そのものはアレルゲンではなく、毛に付着したフケや唾液こそが原因なのです。しかも、犬のアレルゲンは非常に軽く、空気中に長時間浮遊しやすい性質があり、衣服・家具・カーテンなどにも簡単に付着します。

こうした特性のため、2週間に1度は犬をしっかりと洗うことが、アレルゲン量を減らすうえで非常に効果的です。


Q2. 犬アレルギーの症状にはどんなものがありますか?

代表的な犬アレルギーの症状には、以下のようなものがあります:

  • アレルギー性鼻炎:くしゃみや鼻水、鼻づまりなど
  • 喘息症状:咳が止まらない、呼吸が苦しいといった症状
  • 結膜炎:目のかゆみ、充血、涙目など
  • 皮膚症状:犬の唾液が皮膚についた部分にかゆみや赤みが出る

これらの症状は大人も子どももほぼ同様に現れます。

特にアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している方では、アレルゲンが皮膚から直接入り込み、炎症がひどくなったり、湿疹が悪化することがあります。

また、犬を飼っていなくても、他人が持ち込んだアレルゲンによって学校・保育園・電車・図書館などでも発症する可能性がある点にも注意が必要です。


Q3. 犬アレルギーかもしれないと思ったら何科を受診すべきですか?

アレルギー検査が可能な診療科は以下の通りです:

  • 小児科(特にお子さんが対象の場合)
  • 内科
  • 耳鼻科
  • 皮膚科

なかでも、大人の場合はアレルギー科の専門医がいる病院の受診が最も安心です。

お子さんの場合は、普段から診てもらっているかかりつけの小児科で検査してもらうのが基本。小児科医はアレルギーに詳しいことが多く、安心して相談できます。


Q4. 犬アレルギーの検査方法には何がありますか?

もっとも一般的なのは血液検査で、保険適用もされます。血液を採取して、特定のアレルゲンに対する反応を調べるもので、以下のような特徴があります:

  • 偽陰性(実際にアレルギーがあるのに検出されない)率が10%ほどある
  • ダニやカビ、花粉なども一度の採血でまとめて調べられるマルチアレルゲン検査がおすすめ
  • 皮膚にアレルゲンを塗って反応をみるプリックテストもあるが、刺激が強く国際的にはあまり行われていない

体質を知るための第一歩として、血液検査を受けておくことが大切です。


Q5. 検査以外に判断する方法はありますか?

「犬としばらく触れ合わせてみて、症状が出るか確認する」という方法は、精度が低く、正確性に欠けるためおすすめできません。

最も信頼できるのは、やはり医療機関での血液検査です。陰性だったとしても、その後数年犬と暮らすことで陽性になる可能性もあります。特にお子さんは感作が進みやすいため要注意です。

アレルギー医の中には、できれば屋外飼育を選ぶべきという意見もあります。これは、犬のアレルゲンが非常に軽く浮遊しやすく、部屋を分けても完全に防げないためです。

また、「犬はだめだけどハムスターなら…」という考えも危険。ハムスターや猫は犬より強力なアレルゲンを持つ動物であり、代替にはなりません。


Q6. 犬アレルギーは治療すれば治りますか?

犬アレルギーに限らず、アレルギー治療の基本は「アレルゲンを避けること」です。

アレルゲンの量が減らなければ、どんなに薬を使っても効果が十分に現れないことがあります。

免疫療法(AIT)はスギ花粉などには効果がありますが、犬アレルギーにおいては治療エキスの入手が困難であり、実施例も少ないのが現状です。

そのため、現在一般的なのは対症療法で、以下のような薬剤が使われます:

  • クロモグリク酸ナトリウム(吸入薬):マスト細胞の働きを抑えることで、症状の発症を防ぐ
  • オマリズマブ(抗IgE抗体注射):重症の喘息など、避けられないペットアレルゲンに対処するための治療薬。4週間に1回の皮下注射で行われます。

Q7. アレルギーを持ちながら犬と暮らすにはどうすればいい?

犬を飼ってからアレルギーが発症した場合、以下のような工夫が有効です:

  • 屋外で飼う(できる限り距離を保つ)
  • 寝室には絶対に入れない
  • 空気清浄機を寝室に設置し、できるだけ枕元に置く
  • 1〜2週間に1回は犬を洗う

しかし、犬を手放してもアレルゲンはすぐには消えません。IgE抗体は残り続け、他の場所で犬に触れたとき、より強く反応してしまう可能性も。

また、クロスやカーペットなどに付着したアレルゲンは掃除しても完全には取り除けないため、根本的な改善には、ペット歴のない家へ引っ越すことが必要になることもあるのです。


Q8. 他にも知っておくべきアレルギーの基礎知識は?

現在の日本では、健康に見える人でも80〜90%が何らかのアレルギー(特にダニや花粉)を持っていると言われています。

また、喫煙者が家族にいると、お子さんのアレルギー症状が重くなる、または感作率が高くなるという研究データもあります。

まずは自分や家族の体質を知り、アレルギーへの理解を深めることが、健康的なペットライフの第一歩です。


Q9. 犬アレルギーは薬で完全に治せますか?

残念ながら、犬アレルギーを薬だけで完全に治すことはできません。アレルゲンの回避が基本であり、症状を軽減する薬はあくまで対症療法です。

薬を飲んでいるからといって犬との接触を続けてしまうと、症状が慢性化したり、薬の効きが悪くなる恐れもあります。

アレルギーの根本治療である免疫療法(AIT)は、犬に対しては日本では適用が難しく、主に対症療法(抗ヒスタミン薬、吸入薬、点眼薬、ステロイドなど)で管理していくのが一般的です。

重症例ではオマリズマブ注射が検討されることもありますが、効果や費用なども踏まえた慎重な検討が必要です。


Q10. エアコンによるアレルギーの心配はありますか?

犬アレルギーの方にとって、エアコンの使用環境も注意すべきポイントです。
エアコン内部には、犬の毛やフケ、ほこり、ダニなどのアレルゲンが蓄積しやすく、冷暖房の使用時にそれらが室内に拡散してしまうことがあります。
特にフィルター清掃を怠ると、空気中のアレルゲン濃度が高まり、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を悪化させる原因になります。

対策としては、以下のような方法が効果的です:

  • 2週間に1度を目安にフィルターを掃除する
  • シーズンごとに業者による内部クリーニングを実施する(一年に一回は完全分解洗浄をしましょう)
  • 空気清浄機を併用して、アレルゲンの拡散を抑える
  • 冷暖房の風が犬の毛を巻き上げないよう、風向きを調整する

また、加湿機能付きエアコンや加湿器の併用は、空気の乾燥による鼻・喉の粘膜の刺激を防ぐ効果もあります。
エアコンの清潔な管理は、犬アレルギーの症状軽減に欠かせないポイントです。

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まとめ

犬アレルギーは、犬を飼う前に知っておくべき重要な健康課題です。

「知らなかったから仕方ない」ではなく、「知っていたからこそ、準備ができた」という状態を目指しましょう。

大切な家族の健康と、わんちゃんの幸せな一生のために──しっかり学び、正しく判断することが、責任ある飼い主の第一歩です。

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